Cavita カヴィータ
ロンドンにメキシコ料理店は多いけれど、ここまでエレガントなインテリアを採用したレストランは少ないのでは? そんな感想を抱いたのが、メリルボーン地区に2022年5月にオープンしているCavita。テラコッタ色のファサードや床、温かみのあるサンド・カラーのデコレーションがなぜか郷愁をそそります^^
コンセプトはメキシコの屋台料理! その正体は洗練されたモダン・メキシカン。オープン・キッチンには巨大な直火グリルと木炭で調理する本格的な器具が設置され、毎日豪快に、時には優しく、丁寧に火を通していきます。
キッチンを統括するのはメキシコシティ出身のアドリアナ・カヴィータさん。古典的なフランス料理から学び始めたものの、当時、世界はインターナショナル・キュイジーヌへの目覚めで、自国料理への注目もあふれんばかりに。そんな潮流の中でしっかりメキシコ料理の古典を学んだ叩き上げのシェフでもあります。
アドリアナさんの経歴にはいくつもの煌めきがありますが、最初期の輝きの一つに、スペインの元3つ星レストラン、伝説のエル・ブジで働いた8か月があります。これは大学が研修として用意したチャンスだったそうですが、アドリアナさんは他の学生との熾烈な競争の末に、このチャンスをゲット! 若い頃から実力派なのですね〜。
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メキシコといえばカクテル! カヴィータではドリンク・メニューも超充実しています。
その後はメキシコ国内のトップ・レストランやニューヨークのミシュラン2つ星レストランなどを経て、発酵やピクルス、燻製の技術などを習得。最終的にはやはりメキシコ料理の真髄やルーツを学ぶため、古い食の知識を持つ年配の女性シェフに師事することにしたそうです。
2016年頃から国内を始め、他地域でも活躍。ロンドンへ移住し、フリーランスを経て2022年春に自身の名を冠した「カヴィータ」をオープン! しかしオープン当初はビザの問題で7カ月間メキシコに戻らざるを得なくなり、その間、メキシコ中を旅してできたのが、レシピ本『Cocina Mexicana』なのだそうです。
オープンから1年後に、ようやく自分のレストランの厨房に戻ることができたという変わった経歴の持ち主。かなりのストレスだったそうですが、料理本を制作する期間だったと考えると、納得ですね^^
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大根のタコス♪ ただのタコスじゃない! ザクロとアボカドを焦がしハバネロとオニオン・サルサで和え、レモンバームを添え、伝統のコーントスターダで。
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クルマエビの炭火焼き。コクのあるロースト・パイナップルのソースを添えて。
メニューにはさわやか柑橘系のセビーチェ、ケサビリア、パストール・タコスなどストリートフードの定番のほかに、炭火で焼く自家製トルティーヤを添えた肉や魚など、シンプルかつ重くなりすぎない料理が賑やかに並んでいます。
メキシコ料理というとチーズやベーコンたっぷりの重い料理が主流ですが、アドリアナさんはそんな印象を覆し、野菜や魚介類をシンプルに調理したものも重視しているのだとか。
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ハーブ・チキンのモーレ・ヴェルデ。柔らか〜♪
この日は大根のパストール・タコス、エビの炭火焼き、チキンのモーレ・ヴェルデなどなどを食しましたが、いずれも問題なく完食^^ 大根もエビもチキンも美味しかったのですが、例えばチキンの付け合わせのグリル野菜、ご飯などが丁寧に調理されている印象が持てず、シェフの経歴を読んで想像するほどのお味ではないと感じる部分もありました(爆)。やはりご本人ではないシェフたちが頑張っているのかな〜・・・少し残念ではありましたが、もちろん平均点は十分にクリア。
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面白かった!デザートの揚げ菓子。ロウソクが灯っているのは、最初の料理が出てくるのが遅かったからですw
しかしながら私たちのテーブルの周りは皆が超ハッピー! ワイワイとした雰囲気でどんどん料理を平らげています。確かにメキシカン・チェーンのWAHAKAなどとは一線を画する料理の数々であり、美しいプレゼンテーションや細々とした気遣いが好印象。
メキシコ料理と聞いて想像するのは、ワカモレとトルティーヤ・チップスとか豆を使った料理とかだったので、炭火焼きの本格ストリート・フードへの賞賛の気持ちはあり、「もっと別の料理も試してみたい!」誘惑に駆られました^^
いずれにせよ、このお店の素敵なデコレーションは特筆に値します。エレガントにメキシコ料理、そしてテキーラで酔っ払いたい時におすすめ!