ぶっちゃけ中国東方航空ってどうなのよ。乗ってみた感想!

2


一時帰国ネタをもう一つ。

今回はエアラインを決める際、フライト価格はむろんのこと、利便性を最優先して【ロンドン→上海→岡山】と飛ぶ、大変魅惑的な最短フライトを選ぶことにした。

なにせ今、ロシア上空を飛ぶことができるのは、ごく少数の航空会社のみ。中国籍の会社はその数少ない枠に入っている。おかげでロンドンから上海まで、行きは10時間半、上海から岡山まで2時間半という私にとっては夢のような直通(のようにも感じる)フライトとなっていたのだ。

そこで中国の航空会社にまつわる根も葉もないような噂話を横目に、思い切って予約してみることにした。5月の便で600ポンド(プラス座席指定代)だったので、かなり良心的。これなら年に数回帰れるかもしれないな、なんていう夢も膨らむ。

中国では中国国際航空、中国東方航空、中国南方航空などが国有の会社であり、中国東方航空は岡山に就航している貴重なエアラインだ。まだ乗ったことのない皆さんへ、決断するための材料となればいいと思い、乗ってみた感想を記しておく。逡巡している皆さんのお役に立てれば幸いである。

 

予約:
Opodoという予約サイトを通して予約。これが後々「良かった」と思える結果に。もちろん別の良心的な予約サイトもあると思う。

空港まで:
中国東方航空は、主にガトウィック空港に就航しているらしい。私は普段利用している最寄りの地下鉄駅からガトウィックまで直通電車が出ているので、かなり便利に感じた。

搭乗手続き:
スムーズに出国。特に問題なし。午前11時頃の便へ急ぐ。

ロンドンから上海までのフライト:
・機材:少し型が古い。懐かし〜い感じのフライト^^

・機内食:特に問題なし。文句を言われがちな分野ではあるが、値段などを考えるにつけ取り立てて文句を言うべきことはない。ベジのオプションはないので、気になるようなら事前に注文しておくか、持ち込みもあり。

・機内エンターテインメント:機材が古いせいか映画の種類が少ない! しかも言語選択は英語と中国語のみで、ほとんどの映画が英語+中国語サブタイトルか、中国語+英語サブタイトル。エンターテインメントは自身で持ち込むのも良いだろう。

・ 清潔さ:問題なし。トイレは他の航空会社に比べても頻繁に清掃している方で、なかなか快適だった。

上海でのトランジット:
・3時間程度の乗り継ぎ時間で、全く問題なし。ただしWifiが繋がらず困った。上海浦東国際空港のトランジット・エリアのWifiは、「Wifiホットスポット」と呼ばれる場所にある機械にパスポートを読みとらせて番号を入手し、それを自分のデバイスに入力して利用する仕組みなのだが、周囲で利用しようとしていた人、全てがうまくいかず。(しかし帰りはつながったのが不思議なのだが・・・)

・上海浦東国際空港のトランスファー・エリアの設備
日本やイギリスの空港で必ず「ある」はずのものが、なかった。たとえば薬局/ドラッグ・ストア、WHスミスのような総合キオスク、旅行用品などを扱うショップなど。私は手荷物に入れ忘れたと思ったコンタクトレンズ用品を買いたかったのだが、結局入手かなわず。空港にドラッグストアがないなんてあり得ない!と思ったけれど、なかった。あったのは、高級ブランドのショップ、お土産物屋さん。レストランやカフェの数も少ない。

上海から岡山までのフライト:
全く問題なし! 快適なフライト。2時間半だが、食事まで出た。

と言うわけで、行きは問題らしい問題はなく、空港の設備が残念だったほかは大きな問題のないフライトだった。

そして帰りの便は・・・

 

岡山空港での謎の出来事:
実はこれが、今回の記事を書こうと思った主な理由だ。

上海までのフライトは岡山14:00発。発券されたチケットを見ると、搭乗時間は13:30。地方空港からのフライトなので、30分で搭乗を終わらせるんだなと思って、私は見送りに来てくれた友人と直前まで会話を楽しんでいた。しかしよく考えると、ヨーロッパではフライト30分前にはゲートが閉まってしまうこともあることを思い出し急いで搭乗口に向かうと、案の定、私はほぼ最後グループの乗客のようだった。

友人に別れを告げ、急いでゲートへ。数人の乗客と一緒に問題なく機上の人になった。そこまでは良かった。

座席に座ると少し眠くなり、意識はあるものの、うつらうつら。ハッと気づくと時間は既に14:20くらいだ。「遅れているのかな?」と思ったが、アナウンスもない。しばらく大人しく座っていたのだが、14:45頃になってもアナウンスなし、飛び立つ気配もないので、客室乗務員に尋ねてみることにした。

飛行機の後ろにキャビンアテンダントが4名ほどたむろしているのを見つけ、座席を立って彼女たちに近づく。

「あの、何時に飛ぶんですか?」
「14:00です。」
(えっ?もう14:00はとっくに過ぎているのに・・・)

絶句していると、お姉さんの一人が腕時計を見せながら「あと15分で飛びます」と言う。時計を見ると13:45になっている。

心臓が飛び出そうになり、一瞬、時空を超えてしまったのかと疑うw ふらふらしながら自席に戻るも現在時刻を確認しなくてはと思い、携帯電話のローミングをオンにして、時間を確かめる。すると、やはり14:45だ。

混乱しつつ、また客室乗務員のいるところに引き返し、

「やっぱり14:45ですよね。」と言うと

13:45のデジタル腕時計を見せながら、しつこく「14:00に飛びます」と言う。

?????

「えっ、でもここは日本で、今は14:45では・・・」
「上海時間の14:00に飛ぶんですよ」

ガクブル。

どう返事をしていいのかわからないまま、口をパクパクさせて「え、でも・・・ここは日本なのに・・・」と繰り返すと・・・残り3名のキャビンアテンダントのお姉さんたちは私の顔を覗き込みながら、なにやら中国語で会話をしている。まるで「この人混乱してるわ。大丈夫かしら」みたいな感じ。

そして彼らが4人とも、口を揃えて「上海時間14:00に飛びます」と言うのだ。

ちなみに、全部英語の会話だ。「ツーオクロック、シャンハイタイム」みないな感じなのである。

大変な混乱に陥りつつもとりあえずあと15分で飛ぶと言うので、引き下がって自分の席に戻った。

一体どういうことなのだろう? 中国の航空会社では、到着地の時間に合わせて出発時間を決めるのだろうか? たとえばハワイに飛ぶとしたら、ハワイ時間で出発時刻を表示するのだろうか? まさかそんな・・・w

後でわかったことなのだが、やはりフライトは1時間遅れになっていたらしい。私は携帯電話のローミングをオフにしていたので情報がこなかったのだが、後で見たOpodoのアプリでは「フライトは1時間遅れになる」とメッセージを出してくれていた。

たとえそうでも、どうして彼女たちは「1時間遅れなんですよ」とすんなり教えてくれなかったのだろうか。しかも、なぜ私が搭乗した13:30から、実際に飛び立つ準備に入った15:00まで、一度も機内アナウンスが入らなかったのだろうか。

たとえば、「皆様大変お待たせしております。出発まで今しばらくお待ちください。Xx時出発を予定しております」など、他の航空会社なら1時間半の間に2度はアナウンスが入るだろう。日本の航空会社なら15分おきくらいにアナウンスする事態だ。

私はこれを「謎の “上海時間” 出発事件」と呼ぶことにしたw

(もしかしたら、中国東方航空がポカをして、実際に間違って上海時間14:00に飛ぶ予定にしており、岡山空港の管制塔から15:00の間違いだろう?と当日に指摘が入ったとかネ 笑)

岡山から上海までのフライト:
この2時間半にも食事が出たのだが、行きほどのバランス食は出なかったように思う。エビピラフのみ。ビタミン補給できるものを持ち込むと良い。

上海でのトランジット:
・元々、9時間のトランジットが予定されていたが、1時間遅れたおかげでその時間は短縮。私はラップトップとWIfiさえあれば仕事ができるのでいくらでも時間を潰すことが可能な人。さほど心配はしていなかった。居心地のよいカフェでしばらく仕事をして、横になれるソファが置いてあるエリアでしばし休眠。慣れてきたのでショップの少なさも気にならずに済んだ。

・空港のWifiは、行きと違ってすぐに繋がった。しかもパスポート読み込みなしで。これは謎の一つ。「Wifiホットスポット」に置いてあった機器さえも違うような? もしかすると3週間の間に何かが改善されたのかもしれない。

・これは噂通り、なのだが、空港のWIfi利用では、SNS系のウェブサイトには全く繋がらない。しかし自分で用意したネット環境であれば繋がるようだ。

上海からロンドンへのフライト:
12時間半のフライト。これは流石に長く感じられた。食事も行きに比べてバランスの悪い内容で、少し食傷気味に。フルーツ・ジュースなどで水分とビタミンを補う。

ガトウィック空港到着後:
手荷物の受け取りの際にも、少し不思議体験があった。Opodoのアプリで「あなたのフライトxxはX番のターンテーブルですよ」と教えてくれたのだが、それが実際のフライトとは違う上海便だったのだ。

Opodoを無視して、自分のフライト便のターンテーブルで待っていたのだが、しばらく待っても出てこず。ピンときてOpodoが教えてくれた隣のターンテーブルに行ってみると、既に自分の手荷物がグルグルと回っているではないか。

こういった経験は初めてだったのだが、自分が搭乗した便ではないターンテーブルから荷物が出てくることもあるのか、と勉強になった。おそらく私のフライトが9時間待ちだったので、もっと早い上海便に乗って、一足先にガトウィックに到着していたのかもしれない。

以上が、今回の一時帰国で利用した中国東方航空での旅の全容。

謎の “上海時間” 出発事件はあったもののw、総括すると「問題ない」レベル。むしろお値段を考えると「頑張ってる!」フライトではなかっただろうか。

何を重視するかは人それぞれだが、個人的にはあまり問題ないフライトではあったし、マイルに縛られずに乗ればそれなりに得もしそう。冒頭にも書いたが、日本に帰るチャンスが増えるなら、それはそれでいいのかもしれないと思った。

最近は中国系のフライトを使う人も増えてきているようだが、さて、皆さんの体験はどんなものだっただろうか。面白おかしく書き立てた都市伝説から脱却し、真実の情報をもっと増やしていこう。

Share.

About Author

アバター画像

岡山県倉敷市出身。ロンドンを拠点に活動するライター、編集者。東京の文芸系出版社勤務、雑誌編集・ライターを経て、1998年渡英。英系制作会社にて数多くの日本語プロジェクトに関わった後、2009年からフリーランス、各種媒体に寄稿中。2014年にイギリス情報サイト「あぶそる~とロンドン」を立ち上げ、編集長として「美食都市ロンドン」の普及にいそしむかたわら、オルタナティブな生活、人間の可能性について模索中。著書に『歩いてまわる小さなロンドン』(大和書房) 『ロンドンでしたい100のこと』『イギリスの飾らないのに豊かな暮らし 365日』『コッツウォルズ』(自由国民社)。NHK文化センター名古屋教室「江國まゆのイギリス便り」講師。MUSIC BIRDのラジオ番組「ガウラジ」に月一でゲスト出演。チャネリングをベースとしたヒーラー「エウリーナ」としても活動中(保江邦夫氏との共著『シリウス宇宙連合アシュター司令官 vs.保江邦夫緊急指令対談』もある)。Instagram: @ekumayu

ウェブサイト

2件のコメント

  1. アバター画像

    LONDONLoveさま
    がーん、「ターンテーブル」ですね^^; 「回転ベルト」とか書いちゃってお恥ずかしいww 早速直しました。ありがとうございます!!

    そうなんです、未体験ゾーンを体験し、体験を重ねることで有事に備えるww そういう感じです。この記事で、中国の航空会社をお勧めしていると取られると非国民感満載ですが^^、念のため・・・体験シェアです。本当は、謎の上海時間出発事件を書きたかっただけなんですが、全体の体験も書くと皆さんの参考になると思いました。ご感想多謝です♡

  2. 「謎の “上海時間” 出発事件」も大いに謎ですが、搭乗した便でないターンテーブルから荷物がでてくるのも驚きです。同じ到着地でよかったです。

    色んなことが起こるものですね。
    旅の数だけ、経験が増えて、幅が広がりますね。
    勉強になりました。
    私も、何かあっても、慌てないようにしたいと思います。

Leave A Reply

CAPTCHA